皆さんこんにちは!あしにゃんことアシリカです!
私は、かつて声優養成所を卒業し、その後は元女性アイドルマネージャーとして現場運営や、新規アイドル事務所でのオーディション審査員を務めてきた経歴を持っています。
この経験から、タレントを発掘・育成し、プロとして現場に送り出す側の視点、特に
「合格者を判断する際の基準」
を深く理解しています。
このブログでは、私が代アニ学内オーディションで実際に受験し分析した、複数の声優事務所の出題データに基づき、
「事務所ごとの特徴に関係なく、すべての事務所に共通する普遍的な評価ポイント」
を抽出しました。
本記事は、声優志望者の皆さんを支える
声優養成所や声優専門学校の講師、指導者、進路指導部の皆様
に向けて執筆しています。
生徒をプロの世界へ送り出すために、日々のレッスンや進路指導で
「何を、どのように」教えるべきか
その本質的なヒントを提供します。
これまで私が代アニ時代に受験した声優事務所や養成所のオーディション攻略法の記事はこちら!
併せてご覧ください!






こちらの記事に関して、声優専門学校や養成所に通う皆さん、そしてこれから声優を目指す全ての志望者の方に書かれている記事はこちらです!
声優専門学校や養成所に通う皆さん、そしてこれから声優を目指す全ての志望者の方はこちらの記事をご覧ください。

結論:声優事務所や養成所が普遍的に求めているたった一つのこと
声優事務所や養成所が、オーディションを通じて普遍的に求めている人材は、
「指示に対する正確な遂行能力と、未来の現場で短期間に結果を出せる成長のポテンシャルを兼ね備えた、素直でプロ意識の高い人材」
です。
演技経験の有無や、現時点での技術レベルの高さよりも、
「プロの現場で働くための土台となる人間性と対応力」
が最も重視されています。
理由(なぜ声優事務所や養成所はこのような人材を求めようとしたがるのか?)
声優事務所や養成所が、現時点での完成度よりも、特定の人間性やポテンシャルを重視するのには、プロの現場における
「時間とコストの制約」
という現実的な理由があります。
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🎙️ 現場の要求に対応する「即応性」が最優先されるため アフレコ現場や舞台稽古では、ディレクターや音響監督からの指示が飛び交い、瞬時に理解し、次のテイクで修正・反映することが求められます。事務所は、この「指示の意図を正確に読み取り、迅速かつ忠実に再現できる能力(従順性・遂行能力)」を持つ人材こそが、現場で重宝され、仕事が増えると知っています。
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📈 「伸びしろ」がタレント育成の効率に直結するため 養成期間は有限です。初期段階で「素直さ」や「修正能力(対応能力)」が高い受験者は、指導内容をスポンジのように吸収し、短期間でプロレベルに到達する可能性が高いです。これは、事務所にとって育成コストの最小化と、早期の戦力化を意味します。つまり、「成長の可能性(伸びしろ)」は、未来の投資対効果(ROI)そのものなのです。
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⚙️ プレッシャー下でも「確実な基礎力」が求められるため プロの仕事は「一発勝負」であり、「ミスは許されない」というプレッシャーが常に存在します。特にナレーションや専門性の高い案件では、日本語の運用能力(アクセント、滑舌、漢字)の確実性がプロとしての信頼を左右します。事務所は、緊張状態でも準備した内容を正確にアウトプットできる「精神的な強さと確実性」を求めています。
結論や理由からわかる、声優事務所や養成所に合格するのに必要なこと
オーディションに合格するために、どの事務所にも共通して不可欠な要素は以下の3点です。
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素直さと修正能力(対応力)
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審査員のアドバイスや指摘を、感情的にならずに受け入れ、すぐに次の演技に反映できる精神的な柔軟性。
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徹底されたプロの基礎
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演技以前の土台となる、日本語の「アクセント」「滑舌」「漢字の正確な読解」といった確実な基礎力。
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自己認識能力とプロ意識
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なぜその表現を選んだかを言語化できる能力(自己認識)。また、与えられた課題を制限時間内で確実にやり遂げる自己管理能力と、現場で迷惑をかけないというプロとしての強い意識。
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声優事務所や養成所に合格するのに必要なことから見えてくる、普段のレッスンや進路指導の指針
普遍的な合格要素に基づき、貴校の生徒をプロとして成功に導くために実施すべきレッスン及び進路指導のポイントは以下の通りです。
🎤 レッスンの実施において
| 指導目的 | 実施すべきレッスンと意識付け |
| 即応力と修正能力の強化 | 「クイック・リテイク」演習:朗読や芝居に対し、指導者が即座に「怒鳴って」「優しい声で」「もっと早口で」など具体的な指示を出し、生徒は思考時間なしで2秒以内に演技に反映させる訓練を繰り返す。 |
| 確実な基礎力(プロの土台)の定着 | プレッシャー下での基礎チェック:基礎練習(外郎売、アクセント辞典)を、時間を計測したり、指導者が至近距離で厳しい視線を送ったりするなど、あえてプレッシャーをかけた状況で実施し、「確実性」を評価する。 |
| 自己認識能力の育成 | 「演技の言語化」の習慣化:演技後、必ず生徒に「なぜその声色、間を選んだのか?」「ディレクターからこの指示があったら、どう修正するか?」を論理的に説明させる。「感覚でやった」を許さない指導を徹底する。 |
🎓 進路指導において
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🌟 「素材の良さ」と「付加価値」の発掘と育成
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生徒の持つ「素の声の魅力」や「ユニークな強み(語学力、特殊な趣味、理数系知識など)」を否定せず、「それが声優としてどう仕事に繋がるか」を一緒に探求する指導を行う。声優業+αの強みを持つ人材は、事務所のグローバル展開や多様なコンテンツ展開に貢献できるため、価値が高まります。
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💪 「レジリエンス(立ち直る力)」の重要性の徹底
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オーディションや現場で失敗しても、「へこたれずに、すぐに次の挑戦に向かえる精神的な強さ」がプロには不可欠です。私のアイドル運営経験からも、夢を追う時間を宝物にするマインドセットと、失敗を恐れず全力で挑戦する姿勢を指導することが、生徒のモチベーション向上に直結します。
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まとめ
声優事務所や養成所のオーディションは、生徒の「現在の技術」を測る場であると同時に、
「未来の現場で、プロとして機能できるか」というポテンシャルと人間性を見極める場
です。
事務所が普遍的に求めているのは、現時点での完璧さではなく、
「指示に忠実で、短期間で成長し、プレッシャーに負けないプロ意識」
です。
日々のレッスンで
「即応性・確実性・言語化能力」
の三点を集中的に鍛えることこそが、生徒をプロの世界へ送り出すための最も効果的かつ普遍的な対策となります。
声優養成所や声優専門学校の講師や指導者や進路指導部に向けてのアドバイス
私がアイドルマネージャー・審査員として、そして声優養成所卒業生として強く感じてきたことは、
「技術以前の人間性の土台」
がプロキャリアを左右するということです。
ご指導される皆様には、以下の視点を持って、生徒の皆様を導いていただきたく思います。
「貴校の生徒は、声優業界という厳しい現場で『一緒に働きたい』と思われる人材ですか?」
事務所は、技術と同じくらい、あるいはそれ以上に
「明るさ、協調性、素直さ」
を見ています。
これは、
現場で愛され、また一緒に仕事がしたいと思われる「人間的な魅力」
です。
ぜひ、日々の指導の中で、生徒が「言われたことを完璧に真似る力」という究極の再現性と共に、
「失敗しても折れない心の強さ」と「現場のムードを良くするようなポジティブな姿勢」
を身につけられるよう、ご助力をお願いいたします。
貴校の卒業生が、プロの現場で長く活躍できる土台作りを、心より応援しております。


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