皆さんこんにちは!あしにゃんことアシリカです。
今回は元アイドルマネージャーである私が、運営スタッフが主体的にメンバーのことを信頼・信用できるようになるにはどうしたらいいかについて、具体的な経験と心理学的根拠を交えて解説していこうと思います!
今回の記事を通して、アイドルマネージャーやプロデューサーのような運営スタッフの方で、
タレントとの距離感やタレントの素行
本質的な信頼関係構築にお悩みの方、
またこれからアイドル運営をして行く方へ
売上向上にも繋がる実践的な解決策を提供できたら幸いです。
前回のアイドルの運営スタッフがメンバーから舐められないためにはどうしたらいいのかについての記事はこちらから!
併せて読んでね!

導入 何故このような記事を執筆したのか?
私が新規設立のアイドル事務所にマネージャーとして赴任していた時期(2024年12月〜2025年4月)に、上司であるチーフマネージャーのメンバーへの言動に大きな疑問を抱きました。
チーフマネージャーは、メンバーや私に対して
「君達には自由は一切ありません!」
と発言し、
「管理・縛り上げ」
を基本方針としていました。
実際にメンバーが嫌がり、私に泣きついてきたこともあります。
この強権的な方針の背景には、チーフマネージャーの
「私、メンバーのこと信頼していないから!すぐレッスン遅刻したりサボったり…こちらが管理・縛り上げをしないとコントロールが効かない」
という強い不信感がありました。
しかし、私は異なるアプローチを取りました。
恩師である声優・内藤玲氏から学んだ
「やればできる」というマインドセットに基づき、
メンバーの将来性や可能性を信頼し、
「縛らずに育てる」
という視点で接することを心掛けていました。
結果として、私が離職した後(2025年5月以降)、チーフマネージャーの
「封じ込めすぎた」
運営方針がエスカレートし、元同僚の自主退職や組織の混乱を招いたという情報を入手しました。この事態は、
信頼に基づかない運営が長期的に組織を疲弊させる何よりの証拠
です。
そこで、今回、私とチーフマネージャーを分けた
「メンバーを主体的に信頼・信用できる力」
は何なのか?
その本質的な原因と、プロフェッショナルな運営スタッフが身につけるべき解決策について、具体的な方法論として解説していきます。
内藤玲さんから学んだ、アイドル運営における大切なマインドセットはこちら!
https://ashirika.com/idoledu006/
結論
まず、結論から申し上げます。
運営スタッフ自身が、これまでの人生において
困難な目標に対し「頑張ることを諦めずに、できるまでやり抜いて成功した経験」を積み上げていない
ことが、メンバーのことを信頼・信用する事ができない最大の要因として考えられます。
自己効力感(Self-efficacy)に基づくこの経験こそが、他者の可能性を信じる土台となります。
理由
なぜ、
「できるまでやり抜いた成功経験」
が、メンバーを主体的に信頼・信用することに繋がるのかを解説します。
アイドル活動には、厳しい現実や、思うような結果が出ないことによる
挫折や精神的な不調(メンタル不良・素行不良)
がつきものです。
この時、マネージャーやプロデューサーに最も求められるのは、メンバーの状況に
寄り添える能力
です。
しかし、自身の中に「困難を乗り越えた経験」がないと、メンバーの
「将来性」「可能性」「未来への希望」を本心から信じること
ができません。
結果として、
「この子はサボる」「どうせできない」
という
ネガティブな前提で接すること
になり、これがメンバーのモチベーションを奪い、悪循環を生み出すのです。
メンバーを助け、成長に導くためには、まず運営側が
「その子ができる子であると『前提』に接してあげること」
が必須です。
-
「前提」があるからこそ、今苦しんでいる状況を打開するための具体的なTo Do(行動計画)を冷静に考えられます。
-
「前提」があるからこそ、その子の隠れた強みや良いところに気づき、そこを伸ばす指導ができます。
これが最終的にメンバーの
レジリエンス(立ち直る力)上と、グループの成功に直結
します。
実際、私はこのマインドセットにより、この新規設立のアイドル事務所でスタッフをやる前、メンバーのレジリエンス力を大幅に向上させ、短期間で特典会売上を月2万円から8万円へ約4倍に向上させた実績があります。
方法
では、メンバーができる子になるための指導(育成)と、運営スタッフ自身が
「できるまでやり抜いた経験」を積み上げるための具体的な方法論
を解説します。
運営スタッフが「できるまでやり抜く経験」を意図的に積み上げる
最も重要なのは、スタッフ自身が
「どうしようもない所から成り上がってきた」
という成功体験を持つことです。
-
メンバーからのリスペクト獲得: 人は、生まれ持った才能以上に、「諦めずに頑張ってきたから今があるんだ!」という努力のエピソードに感動します。この経験は、メンバーから「運営の〇〇さんでもできたんだから、私にもできるかも!」という共感と、指導者としてのリスペクトを生みます。
-
自己効力感の醸成: 困難を乗り越えた経験は、自身の自信に繋がり、それが「メンバーの可能性は無限大だ」と信じ抜く力になります。
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実践例: 私は、ホーリーピーク声優養成所時代、アフレコの授業で金丸淳一氏(SEGAソニック役でお馴染みの声優さん)に「8月頃、全くできずにボロカスに怒られた」という失敗経験を具体的にメンバーに伝えました。しかし、金丸氏の指導を徹底的に実践し続けた結果、12月や2月には「最初は本当にどうしようもなかったけど、結構できるようになったね!」と直接褒められました。さらに養成所卒業時には、堀尾社長から「ホントお前一番立派になったな!入所した時は不安だったけど、最後の朗読劇はホント良かった」とまで評価されました。この「どうしようもない所から結果を出した」経験と、それをメンバーに包み隠さず伝えたことで、メンバーは「アシリカさんみたいになりたいです!どうしたらいいか教えてください!」と主体的な相談をするようになり、信頼関係が飛躍的に深まりました。
この経験を積み上げるためには、代々木ゼミナールの数学ヤクザこと荻野暢也氏の「ベホマズンの法則」という指導哲学が参考になります。
まとめ
アイドル運営スタッフがメンバーのことを本質的に信頼・信用できるようになるには、まず
スタッフ自身が「諦めずにやり抜いてできるようになった」という
自己効力感の源泉となる
成功経験を積み上げること
です。
その上で、メンバーに対して、
「メンバー自身はできる子である」という揺るがない『前提』で接することが重要
です。
この
「自己の成功経験」と「他者への可能性の信頼」が両輪となることで、
メンバーの潜在能力を引き出す具体的なTo Doを考えられるようになり、
それが結果として
組織とタレント双方の長期的な信頼関係の向上
に繋がります。
メンバーから信頼されようとするよりも、まずは
自身が未来の可能性を信じる力を鍛えること
を最優先にしましょう。
もしその経験がないなら、今から何か一つでも良いから
「できるまでやり抜く」経験を作ってみる事が、
信頼されるマネージャーへの第一歩です。


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