皆さんこんにちは!あしにゃんことアシリカです!
フリーランスカメラマンとして数多くのモデルやコスプレ撮影を手掛けながら、アイドルの現場運営やマネジメント、売上・コスト改善コンサルティングを行っています。
これまで「ゼロからイチ」を立ち上げる黎明期の現場に数多く立ち会い、時にはワンオペで現場を再建し、時には解散危機のメンバーに
「夢を追えるのは一生に一度」
というマインドを伝えて次世代の自立を支えてきました。
そんな現場至上主義の私だからこそ、今のエンタメ業界、特にアイドルの育成・マネジメント環境に対して、どうしても警鐘を鳴らさなければならない決定的な問題があります。
前回の失踪を防止するためにはどうしたらいいか?についての解説記事はこちら!
併せて読んでね!
https://ashirika.com/idoledu017/
導入:何故この記事を書こうと思ったか?
今回、この記事を執筆しようと強く決意したのは、新規設立や過渡期にあるアイドル事務所において、
「大人の都合や内紛に、未来あるタレントが巻き込まれて潰れていく」
という極めて深刻な機能不全が後を絶たないからです。
タレントが100%の力を発揮し、10年後も輝き続けられる「礎」を築くことこそが
運営の使命
です。
しかし、
現場のトップと経営陣の意思疎通の欠如
情報のブラックボックス化
そしてタレントに対するリスペクトを欠いた
「生かさず殺さず」
といった歪んだ思想によって、演者の精神が摩耗していく悲劇があまりにも多く見られます。
ある崩壊寸前の新規アイドル事務所の現場で、あるメンバーが放った切実な一言が、すべてのエンタメ関係者が向き合うべき本質を突いていました。
「なのにそれ以外のことをめちゃくちゃ考えてしまって、そういうこと考えさせる事務所ヤバくね?って思っているんですよ」
この言葉は、歌やダンスのパフォーマンスに命を懸けるべき演者に、経営リスクや大人同士の化かし合いという
「致命的なノイズ」
を背負わせている現状への痛烈な告発です。
今回はこのリアルな事例をベースに、運営が犯している「罪」と、本来あるべきマネジメントのベクトルについて徹底的に解説します。
このお話の大まかなあらすじ
舞台は、新規に設立されたとあるアイドル事務所。
プレデビューライブという最初の大きな節目をわずか2週間後に控えたタイミングで、信じがたい事態が発生します。
メンバーたちがこれまで絶大な信頼を置き、プロデュースの全権を握っていると信じて疑わなかった現場トップのプロデューサー(以下、A氏)が、突如として
「辞めます」
と言い残し、現場を放棄してしまったのです。
残されたメンバーや一部のスタッフが上層部の責任者(以下、B氏)と直接対話したことで、それまでひた隠しにされていた驚くべき
「情報の断絶(ブラックボックス)」
が白日の下にさらされることとなりました。
A氏はメンバーに対し、
「上層部が動いてくれない」
「会議で予算が通らないからボイトレの先生を呼べない」
と言い訳を並べ、すべての遅れを会社のせいにしていました。
しかし、B氏ら上層部の主張は真逆でした。
実際には
「そんな会議も報告も一切受けていない」
「連絡が途絶えていたのはA氏の方だった」
というのです。
A氏が意図的に情報を遮断し、自分に都合の良い形でメンバーを
「扇動」
していた可能性が浮き彫りになりました。
その結果、デビュー2週間前だというのに、進捗状況は以下のような絶望的な状態に陥っていました。
-
楽曲の深刻な遅れ: レコーディング曲がメンバーに共有されたのは直前。音源(オケ)のクオリティも間に合わず、大人が「70%の出来でやればいい」と妥協する始末。
-
衣装の勝手な発注: メンバーの意向を無視し、上層部への報告もないままA氏が独断で安価な衣装を発注。結果、会長から「安っぽすぎて使い物にならない」と激怒される。
-
金銭的な綻び: レッスンスタジオ代の未払い疑惑が浮上。上層部は「報告がないから出しようがなかった」と言い訳するが、現場の金銭トラブルがレッスンストップを招いていた。
さらに信じがたいことに、この泥沼のトラブルやプロデューサーの職場放棄、メンバーの困惑と涙という
「ガチの経営不祥事」
を目の当たりにした経営陣は、深く反省するどころか、
「この泥沼劇をYouTubeのリアル番組(ドキュメンタリー)として流してコンテンツ化(炎上商法)すればいい」
と悪びれもなく発言。
メンバーが必死にレッスンに集中しようとする裏で、大人たちは
「集客なんてできなくていい」
「地下アイドルなんて生かさず殺さず組織の都合で回すもの」
という冷徹な本音を透けさせ、スケジュールの一括管理すら滞らせて演者を徹底的に振り回していたのです。
結論
タレントに経営リスクや大人同士の不信感を「察せさせる」こと自体が、マネジメントの完全な敗北である。
アイドル運営の第一の仕事は、テクニカルな収益改善や話題作りの前に、演者から
「余計な思考」を完全に奪い去り、パフォーマンスと夢だけに100%集中できる
「圧倒的な心理的安全性のインフラ」
を死守することです。
ステージ以外のノイズで演者の心を摩耗させる運営は、どれほど高尚な理想を掲げようとも、その資格はありません。
理由
なぜ、演者にこのような「余計な心配」をさせることが致命的なのか。
理由は明確です。
アイドルの命は有限であり、彼女たちは人生の一瞬を懸けてステージに立っているから
です。
演者にとって
「夢を追えるのは一生に一度」の真剣勝負
です。
それにもかかわらず、運営の機能不全によるスケジュールの滞り、衣装のクオリティ低下、不透明な金銭管理といった経営リスクの影が見えた瞬間、演者は
「自分たちの未来が不当に搾取されているのではないか」
という強烈な危機感を抱きます。
逆境を乗り越える力(レジリエンス)をタレントに育てるためには、その土台として
「この大人たちは、自分たちを絶対に裏切らないし、絶対に守ってくれる」
という確固たる信頼関係(心理的安全性を担保する土壌)が不可欠です。
それがない状態で、大人の内紛や嘘、不信感ばかりを押し付けられれば、どれほど熱意のある優秀なタレントであっても、モチベーションは低下し、最終的には
「離脱(脱退・解散)」
という最悪の結果に直結します。
どうすればこのようなトラブルを防ぐことができたのか?
この悲劇的な機能不全を防ぐための手段は、決して難しいことではありません。
ビジネスの基本である
「情報の透明性」と「徹底した一括管理システム」の導入
です。
中間マージン(ブラックボックス)を排除した情報のオープン化
現場トップのマネージャーやプロデューサーが、上層部と演者の間で情報を歪める
「ボトルネック」
になってはなりません。
運営スタッフ、経営陣、そしてタレントが共通のタイムラインと目標を共有できるシステムを構築し、
誰が・いつ・何をToDoとして持っているのかをクリアに開示するべき
でした。
現場の混乱を解決する具体的な運営システムの導入
「スケジュール管理が滞る」
「1時間でできる調整に5日かかる」
というのは、精神論ではなく単純な
オペレーション設計のミス
です。
私がかつてワンオペ現場で売上を4倍にし、現場の混乱を劇的に削減した際は、メンバー個々に
「キッチンタイマー」
を導入してチェキ会の時間とはがしをシステムとして徹底最適化し、フィルム調達も複数ルートからコストを10%削減して一括管理しました。
このように、精神的な負担を減らすには
「仕組み」が必要
です。
スケジュール調整や進行管理を特定の不器用なスタッフに属人化させず、上から下までスタッフ・演者全員のスケジュールをデジタルツールで一括管理し、経営層が直接コミットできる体制を作っておけば、このような情報の行き違いは防げました。
この内容から得られる教訓
エンタメ業界、特に黎明期のアイドル運営が肝に銘じるべき教訓は、
「演者を見下す(生かさず殺さずといった)態度は、必ず組織を内側から腐らせる」
ということです。
「どうせ誰か辞めるからアンダーを作ればいい」
「プレデビューだから70%のクオリティで客が入らなくてもいい」
という妥協や冷徹さは、確実に演者に見透かされます。
完璧なスタートでなくても構いません。
しかし、大人が筋道を通した誠実な状況説明を行い、明確なロードマップ(数値目標やTo Do)を提示して、メンバーが
「この環境なら安心して全力疾走できる」
と思える信頼のインフラを提供しなければ、どんなに素質のあるメンバーが集まっても、その組織はただの
「泥舟」
と化します。
この内容を風化させないようにするために必要なこと
私たちがこの問題を風化させないために必要なのは、
「大人の失態やドタバタ劇という泥沼トラブルを、コンテンツ(炎上商法)として消費して喜ぶ悪習」を業界全体で断ち切ること
です。
運営の夜逃げや内紛を
「ノンフィクションのリアル番組としてYouTubeに流せば話題になる」
などと目論むのは、エンタメの本質を履き違えた最も卑劣なムーブです。
話題性のために演者の傷や困惑を利用するのではなく、まずは演者ファーストのメンタルケアへとベクトルを正さなければなりません。
トラブルのエンタメ化を良しとせず、健全なバックアップ体制を評価する業界の空気を作っていく必要があります。
まとめ
アイドル運営の最も本質的な仕事は、派手なプロモーションでも、目先の小手先の収益改善でもありません。
演者の心から「余計な思考」を奪い、パフォーマンスとファンの笑顔、そして自身の夢だけに100%のエネルギーを注ぎ込める環境を死守すること
です。
かつて私が関わった現場でも、組織の過渡期に解散の危機に直面したメンバーたちがいました。
しかし、在籍中に私が徹底して伝えた
「諦めないことの大切さ」と「夢を追えるのは一生に一度」
という育成マインドを糧に、彼女たちは自立し、無事に新しい大手事務所で、あるいは自らの手でデビューを掴み取って今も第一線で活躍しています。
これは、強権的な支配ではなく、
「可能性を信じ、共にTo Doを考える」
姿勢を貫き、次世代が勝てるための「土壌」を耕し続けたからだと自負しています。
アイドル事務所の経営者、プロデューサー、マネージャー、あるいは運営を目指すクリエイターに向けてのアドバイス
今、現場で指揮を執っている、あるいはこれからエンタメ業界で旗揚げをしようとしている皆さん。
目の前のタレントに対して、誠実な筋道を通していますか?
彼女たちに、ステージ以外の余計な心配をさせていませんか?
もし現場が混乱しているなら、今すぐブラックボックスを壊し、連絡の迅速化、透明性のある一括管理、そして演者へのリスペクトを形にしてください。
「今ある現場を、未来へ続く物語の始まりに変える」
そのために大人がやるべきことは、泥臭く誠実な「環境づくり」という種まき以外の何物でもありません。
未来のスターたちのために、今こそ揺るぎない10年後の礎を築きましょう。

コメント